「ポーギーとベス」 ★★★★★(5つ星満点) 

inage282004-09-04

 

ポーギーとベス
(出演:ニューヨーク・ハーレム・シアター)

  • 2004/09/01〜09/09
  • Bunkamura オーチャード・ホール

 
ガーシュウィンが割と好きである。
その作品の中でも、この「ポーギーとベス」を見られる機会は滅多に訪れない*1。と言うのも、キャストは全て黒人にすべし、というガーシュウィンの指示があるため、人集めが難しく当然上演回数も限られてしまうのだ。(今回は、1991年(日本初演)、1996年に続く3回目の日本公演。)そんな貴重なライブに行って来ました。もともとCDで聴いていて、"Bess, You Is My Woman Now", "I Got Plenty O’Nuttin’" などの曲に入れ込んでいた(?)ので予習は十分。曲の美味しいところをタップリ堪能しました。
 
ポピュラー作曲家としてスタートしたガーシュウィン
クラシックの世界でも成功したいと望んでいた彼の、初めての、そして唯一のオペラ。そこには、クラシック、ジャズ、黒人霊歌、カントリー/フォークの絶妙な融合があります。様々な音楽様式を熔かし込んだ坩堝。その中からまったく新しい何かを取り出すこと、それはポップ・ミュージックを作る作業と同等だと思います。ブライアン・ウィルソンガーシュウィンをFavoriteな作曲家として挙げているのも納得。彼もまたガーシュウィンと同様、アメリカの伝統的な音楽スタイルからまったく新しい(また楽しく、そして美しい)音楽を作ろうとしたのですから。(>>それがすなわちポップだ。そしてそれは国の歴史が浅いアメリカの独自の音楽になって行く。)創作の姿勢だけでなくユーモアのある作風も二人の共通点だと思います。"I Got Plenty O’Nuttin’"のバンジョーな感じは、アメリカ探訪がテーマになるはずだったビーチボーイズの幻のアルバム「Smile」やソフト・ロックのさきがけ「Friends」に雰囲気がよく似ています。
 
追記:両親と近所の母親のお友達と4人で参加。もともと親は彼女を連れてくるのを期待していたようですが。・・・状況は変わるものなんです。
 

参照:ガーシュウィン音楽の集大成「ポーギー&ベス」
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/porgy&bess/jounetsu.html
 
参照:名曲の宝庫「ポーギー&ベス」 → 今ならなんと映像/音声が見られる
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/porgy&bess/summer_time.html

*1:コンサートでよく演奏される代表曲は 「ラプソディー・イン・ブルー」、「パリのアメリカ人」、「ヘ長調のピアノ協奏曲」 など